こんにちは、木鈴(こりん)のぞんです。
主婦業、看護師業のかたわら木製のスプーンやお皿を作っています。
さて、いざスプーンを作る、と言っても、どうやって作るか想像できますか?
スプーンだったら小さいし、素人の私でも簡単に作れそう!
と最初は軽いノリで「スプーンづくり」のワークショップに参加しました。
これが思った以上に大変だったんです。
でも、それ以上に楽しかったので、それから数年後、本格的に作ってみようと思い立ちました。
そうやって作り始めたのはいのですが、現実という色々な壁にぶちあたるわけですね。
日々葛藤・格闘です。きっとなんでも同じなんだと思いますが。。
ということで、今回は「木の食器づくりって実際こんなとこが大変なのよ〜」という私が感じた点をまとめてみました。
困った事その1, そもそもつくり方ってどうやってわかるの?
まずは木のスプーンをとにかく作ってみたかったので、ワークショップはないかネットで探しました。
。。。まぁ、しかしなかったですね。
あっても既に終わっていたり。
唯一見つけたのが、奈良県の「十八製作所」さんです。
妊娠中で子どもが産まれたら、しばらく何もできない、と思っていたので、迷わず奈良まで行きました。
この十八製作所さん、今でもスプーンづくりのワークショップは続けてらっしゃいます。
機会があれば是非参加してみてください!
▼ 十八製作所さんのスプーン、お皿づくりのワークショップのページ
そんな事で、体験をするのもほとんど機会がなかったのですが、今は物を買うより体験を買う時代なだけあって、調べるとちょこちょこでてきますね。
作り方についてのハウツー本もありませんでしたし、もちろんブログやyoutubeでスプーンつくりが紹介されてるってのもなかったです。
▼ ハウツー本についてはこちらを参照ください
困った事その2, 木材について
彫ってみたら想像と違った!
スプーンを彫るのって、もっとざくざく彫れると思ってました。
初めてのみを入れた時、「うっ!か、硬い、彫れませんけど。。??」
という状態ですよ。木が「ケヤキ」だったのもあります。ケヤキは硬いです。
そして、食器は水を使うため緻密性の高い木が適しており、そうなるとどうしても硬い木になってしまうんだ、ということを知りました。
インナーマッスルが鍛えられますよ〜
どんな木材がいいのかわからない
基本、どの木でも作れるそうです。ただ、上にも書きましたが、それが食器として適しているかどうか。。というところですね。
そして、材料の見極め方はお願いした木工所や木工教室の先生にお願いして入手しているため、人まかせ。
自分の目で見て購入できる機会があるとどれを買っていいかわからず、眉間にしわを寄せる始末。
でもだいたい大丈夫なんです。ちょこっと作る分には。
ただ言えるのは木目が面白いからいいのができそう!というのは要注意です。
加工が困難になるケースが多い。ま、出来上がりが確かに面白いものができるとは思いますが。。
できるだけ木目の素直なものを選ぶのかいいかな。
入手が困難
食器づくりに適した木材はホームセンターではなかなか見ることはありません。
例えばクルミ、サクラ、チェリー等など。
ホームセンターに行けば何とかなるんでしょ、なんて、ほんと甘かったです。
▼ 木材の購入についてはこちらのページをご覧ください。
困った事その3, 道具について
気づくとどんどん増える木工の道具(工具)
木工に必要な道具は、初めてのワークショップでだいたいわかりました。
丸のみ、小刀、糸鋸、治具、サンドペーパー。。
基本的にホームセンターで購入。治具は夫に作ってもらいました。
しかしですね、ハウツー本やワークショップ等に参加すると、教えてくれる方でまた使う道具が違うわけです。それはそれで参考になるし、もっと便利な道具に出会えて嬉しいんです!
で、増えていくわけですよ〜。
そして最近思うのは。。。キリがない。。
そうです、そうなんです。いい物は山ほどあります。
そして、どんどんいい物が欲しくなるという。。
もう初心に戻って、最初に購入した最低限の道具だけでいいのではないかと切に思っています。
▼ 最初に購入したのは左下の 持ちでが茶の丸のみ9mm,15mm,平のみ15mmの3本
そして道具は手に入れればいい、というだけではなかった
特に刃物については買えばいい、というものではない事が痛いほどわかりました。
それは、、
刃物は研がないと使い物になりません!
これホントよく切れる〜ってのは最初だけです。
包丁も研ぎが必要ですよね、必ず切れなくなります。
道具を購入する際はメンテナンスができるかできないか、必ず考えて購入する事です。
道具の研ぎについては未だ格闘中です。小刀はまだ刃が平だからいいんですけど、丸のみがカーブ(R) があるのでお手上げ状態(汗)
困った事その4, 木工用機械について
食器作るのって彫る削るだけじゃないんです。型を切り出さないといけないんです!
木工ってですね、本格的にやろうとすればするほど、工具も増えるわけですが、機械なしではやれないんだ、ということがここ数年木の食器づくりをして、よくわかりました。
何故でしょう?
まず、木は思った以上に硬い
そして、木の厚みがあるとものすごく切るのが困難。糸鋸で切るのは20mm厚みが限度です。
いや、もう40代も後半のか弱きおばちゃんには12mmまでで勘弁して欲しい。すぐ腱鞘炎になります。こ、腰が痛い。。
そして削る作業。。もう時間と労力かかりすぎ!
機械を検討するなら、まずこれ!
スプーンやお皿の型を切り出すための
バンドソー
でなけれは
糸鋸盤 ですね。
糸鋸盤はくれぐれも安くてコンパクトなのはやめといた方がいいです。
お金を捨てることになります。
他、諸々あった方が楽できる機械ってありますね〜、サンダーとか。
そうなんです、ようは楽に早く!なんですよ。
本格的にやる方は、量を生産しないといけないのでもちろん機械化です!
(利益を出すためになぜ生産において機械化が必要だったか身をもって知る)
機械を購入した場合の問題
はい、例えばバンドソー、糸鋸盤、あとは削る機械としてサンダーやグラインダーを持つ方も多いと思いますが、機械があるとそりゃぁ効率いい、、でもですね、何が問題って切ったり、削ったりする時に大量の木の粉がでることです!
こうなるとほんとに自宅で機械を使って木工をやるのは無理でしょ!となります。
部屋中粉っこなです!
それこそ、粉塵機が必要になるかも??
自宅の掃除機でも吸えますが、こまめにフィルターの掃除をしないと詰まる場合があります。
困った事その5, 木工作業の環境、どこで作業をするか
木工作業をするとものすごい木屑や木の粉がでます
木を彫り彫り、削り削りしていると、まぁ木屑がすごいです。
私はやり始めの頃はキッチンのテーブルでやってました。
あたり一面木屑だらけになることは間違いないです。
そして、木屑はまだ可愛いもので、仕上げにサンドペーパーでやすりがけ(サンディング)なんてすると、そりゃぁすごい粉です。
私はサンディングをする時は外ですね。
グラインダーで削る時も外です。とにかく粉が出る作業は外です。
そしてマスクに保護メガネ。アレルギーのようになる人もいますから気をつけてください。
では、どうしたらいいのか? 工房を持つ、借りる、時間でレンタル色々とあります
市内にある木工所が機械や工房を時間貸ししているので、部屋が粉こなになることや、楽に木を切る事を考えて時々利用しています。
とても助かるんです。しかもスタッフが親切でわからない事を聞くと教えてくれるし。
ただ、やはり安くはない。そして自分が使いたい時すぐ使えるか、というとそうでもない。
計画的に予定を立てれればいいですけど、なにせちょっとの空いた時間に作るため、なかなか予定が立たない。
シェアスペースで工房として利用できる場所もありますが、ちょちょっとやるには賃貸料が高いです(月2万弱くらい?)
ラッキーなことに私の場合、家を自分らでリフォームしながら生活してますので、夫が元風呂場を工作室に作り変えてくれました。
まぁこれで家の中が木屑だらけになることはないです。木屑問題はこれでOK〜。
木の粉が沢山でる機械や作業にはまだ対応できません。(やっぱり外が一番?)
▼ 元お風呂をリフォームした工作部屋
まとめ
つらつらと普段私が感じている「木工って楽しんだけど、こんなとこ大変!困ってる!」という点を挙げてみました。
どうでしょう?
何を当たり前なこと言ってるんだ、という方と、えっそうなの??意外と大変そう。。と思う方といらっしゃると思います。私は後者でした。
やりながら、いや〜そうなんだ〜、困ったな〜と言いながらやってます。
これらについての葛藤・格闘・対処法については別の機会にもう少し掘り下げて書きたいと思ってます。
では!