こんにちは、ぞんです。
私は看護師で現在は事業所で看護師1人という立場で働いています。
そんな中ですので、職場で何かあった時対処するのはもちろん私です。
また、いつ何時、目の前で具合の悪い人や意識が無くなって倒れる人に遭遇するかわかりません。
ですので、機会があれば一次救命処置(BLS:ベーシックライフサポート)の講習は受けるようにしています。
また医療従事者に限らず、最近ではAEDの普及や一次救命処置の重要性は一般の方にも多くしられてますし、職場、学校、イベント等で講習を受けた方も多いのではないでしょうか?
ただ思うのは、” 一度受けたからもう大丈夫 ” なんでしょうか?
私の場合、残念ながらすぐに忘れてしまいます。滅多に経験することではないですからね。
また、会社やイベントでの講習は十分でない場合も多くあります。
(それでも受けないよりは全然マシです)
そうなると自分で意識して定期的に受けるしかないと思っています。
こちらでは、一次救命処置(BLS)の講習を受けようと思った時, どういったところで受講できるのか、自分の経験と調べた情報を元にいくつか紹介させていただきたいと思います。
一次救命処置(BLS)講習の内容は?どんなことを学ぶの?
一次救命処置とは
日本救急医学会のページを引用させていただきます。
一次救命処置とは心肺停止傷病者に対し,緊急病態の認知,救急医療システム(119番)への通報をおこなうとともに,気道確保,人工呼吸および心臓マッサージにより自発的な血液循環を回復させる試みを指し,医療従事者に限らず誰でも行える心肺蘇生法をいう。
① 迅速な通報
② 迅速な救命処置(気道確保,人工呼吸,心臓マッサージ)
③ 迅速な電気的除細動
上記 ①−③ まで、救急隊に引き継ぐまでの救命処置のことになります。
一次救命処置 ( BLS ) の講習で学ぶこと
基本的にはAEDを用いた心肺蘇生と、喉に物を詰まらせた場合の処置(気道内異物除去)、応急処置についての講習になります。(応急処置はない場合もあります)
何故、喉に詰まった時の??というと、私も意外だったんですが、交通事故で亡くなった人の数に比べると、窒息による死亡者は意外と多い。
2017年データ
交通事故死亡者数 ー 3061名
誤飲等の不慮の窒息による死亡者 ー 8493名
* 消費者庁データ抜粋
異物の内容は「おかゆ、餅、ご飯、肉などの食品」と「包み、袋、薬剤、洗剤、入れ歯などの異物」となります。
これは、、確かに知っとく必要ありですよね〜。
他、内容をどう掘り下げるかは、その団体によって違うと思います。
一次救命処置 (BLS) ってどんなところで学べるの?
BLS講習を受講可能な団体
一般的なBLS(一次救命処置:AEDを用いた救命処置)ですが、講習会を開催している団体をいくつかあげてみました。
- 日本赤十字社
- 地域の消防署
- MFA メディックファーストエイド
- 日本ACLS協会
- 日本BLS協会
- EMR財団
以上はあくまでも私が受講したことのある、または調べた一部の団体です。
最近は多種多様な機関で講習を行っているんですね。
地域での講習会というと消防署や日赤によるものがほとんどかと思います。
特に消防署については、地域のイベント、お祭りなどでも手軽に体験できます。
各団体の大まかなプログラム内容と料金
各団体 多種多様なプログラムがあるので、ものすごく簡単にまとめました。
詳細はそれぞれホームページよりご確認下さいね。
① 日本赤十字社
各県に支部があり定期的に講習会が開催されている。低料金で受講可能
開催地:全国各都道府県
プログラム
基礎講習、救急員養成講習、幼児安全支援員養成講習、雪上救助、水上救助、健康生活支援、災害救助など
料金
基礎講習が教材費の1500円〜(会場費等別途になる場合があります)
参考ページ: 神奈川県支部 赤十字の講習とは
② 地域の消防署
各市町村の消防署で定期的に講習会を実施、また団体で申し込むと講習日とは別に講習会を組むことができます。
開催地:全国各市町村
プログラム
普通救命講習(成人) , 普通救命講習小児・乳幼児・新生児) , 上級救命講習 , 救命入門講習 , 応急手当て普及員講習など
料金
基本教材費等のみの1000円〜(各消防署で違いがあると思うのでご確認を)
参考ページ: 横浜市消防局 応急手当てに関する講習
③ MFA メディックファーストエイド
アメリカで40年以上(1976年創設)も前に誕生した一般市民レベルの応急救護の手当の訓練プログラム(MFA HPより)
開催地:全国
プログラム
ベーシックプログラム、ケアプラス, チャイルドケアプラス, エマージェンシーケア・ファーストエイド, 血液感染性病原体, 幼児教育・保育関連
また受講先ですが、トレーニングセンターやカルチャーセンター等となり、各インストラクターが独立して実施しているようです。
料金
料金も開催組織や開催場所によって違いがあるようで、料金が調べにくいサイトもあり、問い合わせが必要なトレーニング先が多いです
内容によりますが、13000円〜20000円前後
参考ページ: MFA 訓練プログラム
④日本ACLS協会
アメリカ心臓協会(AHA)の公式BLSコースを開催している団体
開催地:全国
プログラム
一般向け、医療従事者向けとあります。こちらでは一般向けのプログラムを記載しますね。
ハートセイバー・ファーストエイド, ハートセイバー CPR &AED
医療従事者向けには, BLS ( バッグバルブマスクを使った人工呼吸法),ACLS( 二次救命処置)以上のプログラムがあります。
料金
ハートセバー CPR & AEDコースが4630円(教材費が別途必要かもしれません)
参考ページ: 日本ACLS 協会 コースの種類
⑤ 日本BLS協会
こちらもアメリカ心臓協会(AHA)の公式BLSコースを開催している団体で、主には医療従事者など職業的対応義務のある方が対象になりますが、市民向けのコースもあります。
開催地:横浜、池袋
プログラム
一般向け・・ハートセイバー CPR & AED
医療従者向け・・BLS, ACLS, PALS, PEARS
料金
ハートセイバー CPR & AED ・・受講者数により10500円〜18000円
また別途事前に教材(2100円)を購入の必要があります。
参考ページ: 日本BLS協会 ハートセイバーCPR&AED
⑥ EMR財団
こちら、設立してまだ1年の新しい団体のようです。
EMRについてEMR財団のサイトより抜粋です
EMR / Emergency Medical Responder とは、職業上対応義務者(医師・看護師・救急救命士・消防・警察・災害救護チーム・山岳救助チーム・ライフガード・アウトドアガイド・スポーツトレーナー・学校教職員など)のうちで一定の訓練を受けた、傷病者に対する初期対応のプロ。
一般向け、というよりは職業上対応の必要な人向けのプログラムが充実しています。
開催地:主に神奈川県内
プログラム
特徴として、ベーシックなBLSの内容に加えて、野外活動における傷病者対応や、アレルギー・エピペンの対応のプログラムがあることです。アウトドア、学校、保育に関わる職業の方は受講するといいのではないでしょうか?
私もアウトドア好きですし、子ども達と関わることも多いので一度受講してみたいと考えています。
料金
ハートセバー・ファーストエイドについては11000円〜
参考ページ: EMR財団 セミナー&コース
私が受講した講習についての感想
上記の中で私が受講した時の感想です。
あくまでも私の感想ですので参考までに!
消防署
私が受けたのはイベント、会社でシンプルにAEDを用いた心肺蘇生法のみの受講です。
なんといっても、指導員の方々は実際心肺蘇生法(CPR)を実施されてる救命救急士。
生の情報を聞くことができますので、じゃんじゃん質問しましょう!
MFA
インストラスターの方に問い合わせして受講しました。1:1での受講
10数年も前の事であまり正確には覚えてませんが、主にAEDを用いた心肺蘇生の実技を何度も訓練しました。
アプローチの方法がアメリカ式で新鮮さを感じました。
日本BLS協会
こちらは医療従事者向けでしたので、バックバルブマスクを使用した人工呼吸の心肺蘇生法で、とにかくひたすら正確に確実にAEDと心肺蘇生を実施するための訓練でした。
筆記試験も細かいところまで試験に出ましたが、事前にテキストを購入し学習していたので問題なく試験にパスすることができました。
日本赤十字社
こちらは昨年と今年と受講。なんでしょうか?私としてはとてもなじみやすい講習でした。
傷病者が目の前にいた時、自分がどう行動するのか、観察のポイントや体位について、物を詰まらせた時の対処法などとてもわかりやすく、状況を想定しやすい内容でした。ですので、おのずと、「こんな場合どうしたらいいんだろう?」の疑問がわきやすい。
料金が1500円ととても良心的だったのも良かったです。
まとめ
以上、調べてびっくりしたのは、以前に比べて一次救命処置を受講できる機会が容易になっているということです。
「救急隊に引き継ぐまでの処置で救える命がある」と普及に力を入れてますからね〜。そしてAEDもどんどん増えてます。
ある指導者の方が言ってましたが、
逆に言うと、これだけAEDも増えて、一次救命処置を行う事で救える命があるということは、それをやらないと「何故やらなかったんですか?」と責められるということです。
こんなことを言われると、自分で書いておいてなんですが、怖くなりました、汗
最後に2点!
1, 救命救急法はどんなに内容がよくても1度受けたらそれでいい、というのではなく、繰り返し受ける事が大事なのではないか、とこれは私の意見。忘れますから〜。
2, AEDの設置してある場所を職場だけでなく、自宅の周りでも確認しておきましょう。
また、職場など確認が可能であれば、AEDの使用方法などを知っておくと良いと思います。
現在日本では7社のメーカーがあり、それぞれ使用方法に違いがあるそうですから、いざという時あわてそうです!
例えば電源は蓋を開ければ入るのか、ボタンを押す必要があるのか、小児用パットは入っているか、スイッチの切り替えがあるのか、付属品は何が入っているのか(カミソリやハサミ)などなど。